• Fourier Rehabが2026年11月2日、シンガポールリハビリテーション学会(SRC 2026)で最新リハビリ技術3製品を発表
  • AI・VR・ARを統合した「ImmersiveMotus」、アクチュエーター改良型の下肢外骨格「ExoMotus M4」が中心的展示品
  • NHG Health(シンガポール国立医療グループ)や名古屋大学との臨床・研究提携も進行中とされています

事実の整理

2026年11月2日、Fourierグループのリハビリテーション技術部門であるFourier Rehabは、シンガポールリハビリテーション学会(Singapore Rehabilitation Conference: SRC 2026)への参加を発表しました。今回のSRC 2026のテーマは「Inspire, Innovate, Impact, and Integrate(鼓舞・革新・影響・統合)」とされており、リハビリテーション分野の専門家・研究者・業界パートナーが知見を交換する場として位置づけられています。

同社が展示した製品は主に3点です。

ExoMotus M4は、脳卒中や脊髄損傷など神経疾患を持つ患者の歩行機能回復を支援する下肢用外骨格ロボットです。今回展示されたバージョンでは、内部のアクチュエーターと制御システムが改良されており、動作の滑らかさ・応答性・安全性の向上が図られているとされています。人間工学に基づいたバランスフレームと安全なハーネス支持機構を備えています。

ImmersiveMotusは、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・AIを組み合わせたリハビリテーション支援システムです。神経疾患・整形外科・高齢者医療・小児医療の幅広い分野に対応しており、病院・クリニック・在宅での利用を想定して開発されているとされています。カメラを用いたトレーニング機能を持ち、多くの運動メニューはWi-Fiなしでも実施できるとされています。

GR-3C「Cosmo」は、LiDARを搭載したヒューマノイド型の「ウェルネス・コンパニオンロボット」として紹介されました。複雑な環境での自律ナビゲーションに対応するとされており、同社のリハビリロボットポートフォリオを拡張する製品として位置づけられています。

Fourier Rehab国際部門のマネージングディレクターであるOwen Teoh氏は「リハビリテーション技術は、臨床医を支援し患者の回復を改善する新たな機会を生み続けている」と述べています。また、SRC 2026をリハビリテーション関係者と知見を交換し、ロボティクスが革新を有意義な成果に変えられるかを探る場として捉えていると発言しています。

なお、2026年5月にFourier Rehabが自社開催した「GReAT Summit 2026」では、シンガポール国立医療グループ(NHG Health)との共同リハビリイノベーションハブ「RehabHub」設立に向けた覚書(MOU)締結、および名古屋大学との学術・臨床連携MOUの締結が発表されています(Exoskeleton Report報道)。

臨床家にとっての意味

今回の展示には、理学療法士・作業療法士・その他セラピスト職の実務に直結しうる技術が複数含まれています。

外骨格ロボット(ExoMotus M4)について、脳卒中後の歩行訓練や脊髄損傷後のリハビリにおける外骨格ロボットの活用は世界的に研究が進んでいる領域です。アクチュエーターと制御システムの改良は、患者の動作に対してより自然なアシストが可能になることを意図していると考えられます。ただし、今回の発表には改良版の臨床データや効果の詳細は含まれておらず、機器の有効性・安全性については各施設での評価が引き続き必要です。

VR/ARリハビリシステム(ImmersiveMotus)について、在宅リハビリや遠隔セラピーへの応用可能性が示されています。Wi-Fiなしで利用できる設計は、インターネット接続環境が整わない地域や在宅ケアの現場での活用を想定したものと考えられます。神経疾患・整形外科・小児・高齢者という広い対象範囲は、様々な専門分野のセラピストにとって関心を持てる内容といえます。ただし、実臨床での患者アウトカムに関する詳細なデータは現時点では確認できませんでした。

現時点で言えることとして、リハビリテーションロボティクスの分野は、AI・VR・外骨格といった技術を組み合わせる方向に進んでいることが示されています。大学・医療機関との国際的な提携が進む企業が増えており、その動向を把握することは将来的な臨床環境の変化を見通すうえで有益と考えられます。

まだ言えないこととして、今回の発表は展示・PR段階のものです。国内への導入時期・販売価格・保険適用の可否・臨床エビデンスの詳細については公式発表はなく、現時点では不明です。

出典

  1. Fourier Rehab Highlights Rehabilitation Innovations and Intelligent Robotics at SRC 2026(Voice of ASEAN, 2026年11月2日)
  2. Fourier Rehab's GReAT Summit 2026 Highlights Rehabilitation Robotics, ExoMotus M4 Updates, and New Global Partnerships(Exoskeleton Report, 2026年5月)

本記事は情報提供目的であり、特定の製品・サービスの推奨や効果の保証をするものではありません。