自費部門や治療院でAIを使う——という話をすると、たいてい「どう集客文を作るか」から始まります。しかし2026年の現時点で、この順番はおすすめできません。

理由は単純です。生成AIによって、広告文は誰でも大量に作れるようになりました。だから、いま経営を左右するのは「作れるかどうか」ではなく「書いてよいかどうか」のほうに移っているからです。

そして、この「書いてよいかどうか」の線が、直近1年半で大きく動きました。

令和7年2月18日、厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」(正式名称は長いので以下この略称を使います)を発出しました。これは、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう・柔道整復の広告に関する指針です。

そして令和8年3月30日、医療機関向けの広告指針が最終改正され、名称も「医療広告等ガイドライン」に変わりました。事例解説書は第6版になり、オンライン診療受診施設に関する広告の規定が新設されています。

つまり、療法士が関わりうるほぼすべての事業形態で、広告のルールが更新されたということです。この更新を知らないままAIに文章を量産させると、違反の量産になります。

いちばん重要な事実——整体・カイロも、名指しで対象になった

「整体やカイロプラクティックは無資格だから、あはき法や柔整師法の規制の外」。この理解は、もう不正確です。

令和7年2月のあはき・柔整広告ガイドラインには、「Ⅶ.無資格者の行為に関する広告について」という独立した章が置かれています。位置づけとしては関係団体等による自主的取組を促すものですが、行政の指針が名指しで対象にしているという事実は重い。

そして、その中身がかなり踏み込んでいます。掲載すべきでない事項として8項目が挙げられ、なかでも実務上いちばん影響が大きいのは、症状名そのものの扱いです。

具体的には、多くの整体院・カイロプラクティック院がホームページの見出しに使っている、あの表現群が対象になります。「腰痛」「膝の痛み」「肩こり」——この水準の言葉が、指針上は書くべきでないとされている。

そして、もう一つ知っておくべきことがあります。「ホームページは広告規制の対象外だから自由」という理解は、半分だけ正しくて、残り半分が致命的に間違っています。 対象外なのは特定の2法律についてであって、ウェブサイトを規制する法律は他にいくつもあります。この誤解のまま運用している事業者が、いま非常に多い。

さらに、資格の有無にかかわらず全員にかかる規制があります。そして、生成AIとの相性がいちばん悪いのが、まさにその規制です。 AIは「改善率90%」「多くの方が実感」といった表現を、頼めばいくらでも書きます。しかし、その数字の根拠資料を求められたとき、提出できなければどうなるか——ここに、AI時代特有の落とし穴があります。

以下では、3つの規制がそれぞれどこにかかるのかを整理し、体験談とビフォーアフターの正確な線引きを一次資料で確認したうえで、集客・予約・LINE応答・リピート分析へのAI実装地図と、公式ページで確認した各サービスの実額、そしてリスクを下げてから集客に行く導入順序を提示します。