- フランスのロボット企業Wandercraftが2026年10月1日、米国の医療用外骨格メーカーEkso Bionicsを買収したと発表しました。
- 両社の臨床リハビリ製品(Atalante XとEksoNR)は現在、世界700施設超のリハビリテーションセンターで使用されているとされています。
- Wandercraftは全製品の継続サポートを表明しており、既存の保守契約・保証は維持されるとしています。
事実の整理
2026年10月1日、フランスに本拠を置くロボット企業Wandercraftは、米国の医療用外骨格メーカーEkso Bionicsを買収したと発表しました。Ekso Bionicsはナスダック上場企業ChronoScale Holdings Corporationの傘下にあり、今回の買収では取引条件は非公開とされています。両社の取締役会はそれぞれ全会一致で承認し、同日付で契約と決済が完了したとされています。
両社はそれぞれ独自の外骨格製品を持っています。臨床リハビリテーション分野ではWandercraftの「Atalante X」とEkso Bionicsの「EksoNR」、パーソナルモビリティ分野ではWandercraftのハンズフリー自己バランス型「Eve」とEkso BionicsのモジュラーデザインのIndego Personalがあります。これら4製品を合わせると、世界700施設超のリハビリテーションセンターで患者のサポートに使用されているとされています。
買収の背景として、WandercraftはEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域でのロボット工学の専門性とリーダーシップを持ち、Ekso Bionicsは米国市場での広範な展開と20年以上にわたる臨床実績を持つとされています。今回の統合によって、地理的な補完関係が生まれるとされています。
両社のトップはそれぞれコメントを発表しています。WandercraftのCEO兼共同創設者であるMatthieu Masselin氏は「両社は、ロボット工学が人々の生活に力を与え、より充実した日常への参加を実現できるというビジョンを共有している」と述べています。Ekso BionicsのCEOであるScott Davis氏は「この統合により、臨床家と患者にさらに大きな影響をもたらす技術開発と展開を拡大できる」と語っています。
Wandercraftは既存4製品すべての継続サポートを表明しており、現在の保守契約や製品保証は引き続き有効とされています。
臨床家にとっての意味
外骨格リハビリロボットを扱う理学療法士・作業療法士にとって、この買収が最も直接的に関係するのは「導入済み機器のサポート継続」です。EksoNRまたはAtalante Xを現在使用している施設に対し、製品サポートは継続されるとされていますので、短期的な運用への影響は限定的と考えられます。
一方、中長期的には以下の点が関係しうると考えられます。
技術・知見の融合による製品向上の可能性
2社が持つ技術・臨床データ・エンジニアリング知見が統合されることで、将来的にリハビリロボットの機能が向上する可能性があります。ただし、具体的な製品統合ロードマップは現時点では発表されていません。
市場構造の変化と調達への影響
これまでリハビリ外骨格市場で競合していた2社が同一グループになることで、市場競争の構図が変わります。機器の調達コストや選択肢への影響については、現時点では明らかにされていません。施設として今後の意思決定を行う際には、販売代理店や製品担当者への確認が有効と考えられます。
米国市場でのリハビリロボット普及の加速
EksoNRが強みを持つ米国市場にWandercraftが参入することで、外骨格リハビリロボットの普及が加速する可能性があります。理学療法士にとっては将来的に機器の選択肢が広がることも期待されますが、現段階では推測の範囲にとどまります。
今後の展開については、Wandercraftおよび旧Ekso Bionicsの公式情報を通じて随時確認することをお勧めします。現在利用中の機器については、サポート体制に変化が生じた場合に速やかに情報提供がなされるとされていますが、施設担当者レベルでの定期的な確認も有効です。
出典
- Exoskeleton and Wearable Robotics News 2026 – Week 40(Exoskeleton Report, 2026年10月)
- Wandercraft acquires Ekso Bionics advancing robotic mobility(BioTuesdays, 2026年10月2日)
本記事は情報提供を目的としており、特定の製品・サービスの推奨や効果の保証をするものではありません。
