この記事の要点
- 介護給付費分科会のサービス別議論(第259回)で訪問リハビリテーションの資料が示され、令和9年度改定に向けた論点が提示された
- リハ計画作成に係る診療未実施減算の算定率は約11%、認知症短期集中リハビリテーション実施加算は0.75%と低い水準にとどまる
- 介護予防訪問リハでは利用開始から24か月後に利用修了の予定がない利用者が約76%。加算の複雑化を背景に「報酬体系の簡素化」も論点となった
社会保障審議会介護給付費分科会は、令和9年度介護報酬改定に向けたサービス別の議論を進めており、2026年(令和8年)6月29日の第259回では訪問系サービスの一つとして訪問リハビリテーションの資料が示されました。訪問リハに従事するセラピスト、これから訪問領域に出ようとするセラピストに関わるデータと論点を確認します。
データで見る訪問リハの現状
資料の「現状と課題」では、次のような算定状況が示されています。まず、リハビリテーション計画の作成に係る診療未実施減算の算定率は全算定回数の約11%。訪問リハは事業所の医師がリハ計画作成に係る診療を行うことが原則ですが、別の医療機関の計画的な医学的管理を行う医師から情報提供を受けて減算付きで提供する形が一定割合を占めている実態が数字で示されました。
また、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定率は0.75%と低く、算定が困難な理由として「対象者がいない」「短期集中個別リハビリテーション実施加算が優先される」ことが挙げられています。介護予防訪問リハビリテーションについては、利用開始から24か月後に利用修了の予定がない利用者が約76%を占め、利用継続の理由として「本人・家族の希望」「運動機会や活動量の維持が必要」が挙げられました。長期利用の評価のあり方は、これまでの改定でも減算等の形で扱われてきた経緯があり、次期改定でも議論の対象になり得ます。
「報酬体系の簡素化」が明示的な論点に
資料は、累次の改定で加算の種類が増え取得要件が複雑化していることを指摘し、令和6年度改定の審議報告にある「利用者のわかりやすさという観点や介護サービス事業者の事務負担軽減の観点から、報酬体系の簡素化について、引き続き検討していくべき」という記載を引用しています。算定率が低い加算の例として認知症短期集中リハビリテーション実施加算、口腔連携強化加算、小規模事業所加算、退院時共同指導加算が、算定率が高い加算の例としてサービス提供体制強化加算が挙げられました。
そのうえで論点は2つ。(1)リハの実施内容やリハビリテーションマネジメントの実施状況を踏まえ、訪問リハのサービス提供内容についてどのように考えるか、(2)算定率が低い加算・高い加算についてどのように考えるか——です。
セラピストへの意味——加算の統廃合が現実味
「算定率の低い加算」が名指しで列挙される構図は、過去の改定では加算の統廃合・要件見直しにつながってきました。訪問リハ事業所にとっては、算定している加算がどう再編されるかが経営に直結します。秋以降の具体的方向性の議論(10〜12月頃)で扱われる見込みのため、訪問領域のセラピストは分科会資料を継続的に確認することをお勧めします。詳細は下記の資料原文をご覧ください。
