この記事の要点

  • 9月3日の第264回介護給付費分科会で、令和9年度介護報酬改定に向けた「口腔・栄養、一体的取組」の資料が示された
  • 一体的取組を評価する通所リハのリハビリテーションマネジメント加算(ハ)は事業所ベース10.3%、回数ベース1.3%の算定にとどまる(令和7年11月審査分)
  • 未算定の理由は、施設系では「口腔の専門職の確保が困難」が約3割、通所リハでは「管理栄養士・口腔専門職の確保が困難」が約5割だった

厚生労働省は2026年(令和8年)9月3日、第264回社会保障審議会介護給付費分科会を開催しました。令和9年度介護報酬改定に向けて、認知症への対応力強化、医療・介護連携と人生の最終段階の医療・介護、科学的介護情報システム(LIFE)、口腔・栄養と一体的取組、多床室の室料負担の5テーマが議題です。このうち資料4「口腔・栄養、一体的取組」には、リハビリテーション・機能訓練、栄養、口腔の一体的取組に関する算定状況のデータが示されました。

算定状況——通所リハ10.3%、老健16.9%、介護医療院18.4%

リハ・栄養・口腔の一体的取組は、令和6年度改定で通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算(ハ)(793単位または473単位/月)、介護老人保健施設のリハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ)(53単位/月)、介護医療院の理学療法・作業療法・言語聴覚療法の加算(20単位/月)、介護老人福祉施設等の個別機能訓練加算(Ⅲ)(20単位/月)などとして評価されています。

資料によると、令和7年11月審査分の算定状況(事業所ベース)は、通所リハ10.3%(請求事業所7,655のうち788)、老健16.9%、介護医療院18.4%、特養6.3%、地域密着型特養4.6%。回数ベースでは通所リハ1.3%、老健0.4%、介護医療院0.3%、特養0.2%と、いずれも低い水準にとどまっています。介護予防通所リハの一体的サービス提供加算も事業所ベース3.5%でした。

未算定の理由——専門職の確保が最大の壁

加算を算定していない理由の調査(令和6年度改定検証調査)では、老健・介護医療院・特養等の施設系で「口腔の専門職の確保が困難だから」が約3割、通所リハでは「管理栄養士の確保が困難」「口腔の専門職の確保が困難」がいずれも約5割に上りました。リハ職単独では要件を満たせない加算設計のため、歯科衛生士や管理栄養士といった多職種の配置が算定のボトルネックになっている実態がうかがえます。

一方で、一体的取組の中で実施されるカンファレンスについては、「関係職種と話し合うことで、共通の方針・目標について検討できた」という回答が7〜8割に達しており、取組自体の効果は現場で実感されていることも示されました。

セラピストへの意味——令和9年度改定の重点論点に

診療報酬側でも令和8年度改定でリハ・栄養・口腔の一体的な取組の推進が図られており、医療・介護を通じてこの流れは強まっています。介護報酬側では「効果は認められるのに算定が伸びない」構図が数字で裏づけられたため、令和9年度改定では要件の見直しや評価方法の再設計が議論される可能性があります。通所リハ・老健等に勤務するセラピストは、自施設の算定状況と照らし合わせつつ、秋以降の具体的方向性の議論を追ってください。詳細は下記の資料原文の確認をお勧めします。

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