この記事の要点

  • 文科省・厚労省は2026年8月21日付の事務連絡で、令和8年熊本地震で被災した学生の国家試験受験資格と学校・養成所等の運営の取扱いを示した
  • 授業期間が短縮されても必要な単位・時間を履修すれば受験資格は従来どおり認められる。実習施設変更の承認申請は事後でも差し支えないとされた
  • 実習施設の確保が困難な場合は、年度をまたぐ実習や、実習の一部を演習・学内実習等に代えることが認められた。対象はPT・OT・STを含む29職種

文部科学省と厚生労働省は2026年(令和8年)8月21日付で、事務連絡「令和8年熊本地震の発生に伴う医療関係職種等の国家試験の受験資格並びに学校、養成所及び養成施設の運営等に係る取扱いについて」を発出しました。2026年7月に発生した令和8年熊本地震により、養成校に在学中の学生・生徒の修学に不利益が生じないようにするための措置で、対象職種には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が含まれています。

受験資格——「授業短縮でも必要単位を履修すれば従来どおり」

事務連絡ではまず、受験資格について次の考え方が示されました。今般の地震への対応により授業の実施期間が例年に比べて短縮された場合であっても、当該学校養成所等において必要な単位もしくは時間を履修し、または履修して卒業した者については、従来どおり国家試験の受験資格が認められることとされています。被災地域に関わりのある学生が他の学生より修業が遅れた場合も、同様に扱われます。

ただし、この取扱いは教育内容の縮減を認めるものではないと明記されており、学校養成所等には、時間割の変更、補講授業、インターネット等を活用した学修、レポート課題の実施等により必要な教育が行われるよう特段の配慮が求められています。

養成校運営——実習施設変更の弾力化と学内実習への代替

学校養成所等の運営については3点が示されました。第一に、実習中止・休講等の影響を受けた学生と受けていない学生の間に修学の差が生じないよう配慮すること。第二に、教員の不足や施設・設備の破損等で十分な教育体制を整えることが困難な場合、当面の間は非常勤教員の確保や教室の転用・兼用等により必要最低限の教育体制を整えることで差し支えないこと。

第三に、実習関係です。実習施設を変更する際にはあらかじめ承認を受けることとされていますが、突発的な地震を受けた対応であることに鑑み、事後的な申請を認めるなど、承認申請の時期を弾力的に取り扱って差し支えないとされました。さらに、実習施設の確保自体が困難な場合には、年度をまたいでの実習や、実習に係る時間の一部を演習または学内実習等に代えて実施することにより、必要な知識・技能を修得することとして差し支えないとされています。

対象は29職種——臨床実習の比重が大きいリハ職には影響大

本事務連絡の対象は、保健師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、社会福祉士、介護福祉士、公認心理師など29職種です(医師・歯科医師・薬剤師は別の通知による取扱い)。

PT・OT・STの養成課程は臨床実習の比重が大きく、実習受け入れ側の臨床現場にも関わる内容です。被災地域の学生を受け入れている実習施設の指導者は、実習時期の変更や施設変更の相談が増える可能性を念頭に置いておきたいところです。なお、具体的な適用は各養成校と主管部局の判断によるため、関係者は下記リンクから必ず原文を確認してください。

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