この記事の要点
- 令和9年度介護報酬改定は、2026年10〜12月頃に具体的方向性を議論、12月中に基準を先行とりまとめ、2027年1月頃に諮問・答申というスケジュール案が示された
- 従来の団体ヒアリングを見直した「意見交換会」を実施。訪問リハ・通所リハ・老健・介護医療院などは「医療系サービス」テーマに区分された
- 検討の柱として、サービス提供体制の構築、地域包括ケアの深化、処遇改善と生産性向上、制度の持続可能性の4つの分野横断テーマが挙げられている
厚生労働省は2026年(令和8年)8月5日に第262回社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)」と「令和9年度介護報酬改定に関する意見交換会・実施要領について(案)」を示しました。次期改定の全体スケジュールと議論の枠組みを確認しておきます。
検討の進め方——期中改定を経て、2040年を見据えた議論へ
進め方の資料ではまず、令和8年度に実施された経緯が整理されています。「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年11月21日閣議決定)を踏まえ、令和9年度改定を待たずに期中改定を実施し、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善に向けた措置と、食材料費上昇を踏まえた食費の基準費用額引上げが行われました。
そのうえで令和9年度改定に向けては、介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるとの認識のもと、事業者の経営状況等を把握したうえで物価・賃金の上昇等を適切に反映する対応を実施する必要があるとし、2040年を見据えた分野横断テーマとして、(1)人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築、(2)地域包括ケアシステムの深化、(3)介護人材確保に向けた処遇改善等と職場環境改善やケアの質の向上に向けた生産性向上等、(4)制度の安定性・持続可能性を確保する報酬の在り方——の4つを例示しました。
スケジュール案は、令和8年4月〜夏頃に主な論点の議論と事業者団体等からのヒアリング、10〜12月頃に具体的な方向性の議論、12月中に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめ(自治体の条例改正期間を踏まえ基準は先行)、令和9年度政府予算編成を経て、令和9年1月頃に介護報酬改定案の諮問・答申という流れです。
意見交換会——リハ系サービスは「テーマ③医療系」
従来の「団体ヒアリング」は、社会福祉法等改正法の施行により令和9年度から制度改正が行われることも踏まえ、「令和9年度介護報酬改定に関する意見交換会」に発展的に見直されます。テーマは、(1)介護系居宅サービス等、(2)居住系・施設系サービス等、(3)医療系サービス、(4)中山間・人口減少地域関係の4区分。訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、訪問看護、介護老人保健施設、介護医療院など(予防含む)はテーマ③の医療系サービスに位置づけられ、各団体は希望するテーマに参加して意見陳述要旨を事前提出する方式です。
セラピストへの意味——秋からの議論が算定要件を決める
訪問リハ・通所リハのサービス別論点は6月の分科会で既に提示されており、秋以降はそれらが具体的な単位数・要件の議論に進みます。期中改定で処遇改善加算の対象が訪問リハ等へ広がった流れが、令和9年度改定でどう扱われるかも重要な注目点です。介護保険領域で働くセラピストは、12月のとりまとめと2027年1月の答申までのスケジュールを頭に入れておくと、制度変更への準備がしやすくなります。詳細は下記の資料原文を確認してください。
