この記事の要点

  • PT・OT・STの3協会で構成するリハビリテーション専門職団体協議会が、8月24日に令和9年度障害福祉報酬(障害児分野)改定に向けた要望書をこども家庭庁に提出した
  • 重点要望は障害福祉領域における処遇改善加算の扱いと、児童発達支援・放課後等デイサービスの専門的支援体制の報酬引き上げ・専門的支援実施加算の算定上限撤廃など
  • 7月の関係団体ヒアリングでは、処遇改善加算のリハ専門職への分配率が18.5%にとどまる調査結果を示し、対象職種としての明示を求めていた

日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会の3団体で構成する「リハビリテーション専門職団体協議会」は、2026年(令和8年)8月24日、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児分野)に向けた要望書をこども家庭庁に提出しました。提出には日本理学療法士協会の佐々木嘉光副会長が出席しています。

要望の柱——処遇改善と「リハ専門職の関与」への評価

日本理学療法士協会が公表した要望事項によると、重点要望は次の2本です。第一に、障害福祉領域におけるリハビリテーション専門職の処遇改善加算について。第二に、経済・物価動向を踏まえたリハ専門職の関与による加算の引き上げで、具体的には(1)児童発達支援・放課後等デイサービスにおける専門的支援体制の報酬引き上げと専門的支援実施加算の算定上限撤廃、(2)児童発達支援センターの中核機能強化加算の引き上げ、(3)訪問支援における訪問支援員特別加算・多職種連携支援加算の報酬引き上げが挙げられています。

さらに「医療との連携強化による医療的ケア児を含めた障害児への受け入れ体制の強化」として、医療機関等に所属するリハ専門職の医療連携体制加算の取組みに対する新たな評価、居宅訪問型児童発達支援における短期入所施設等への訪問実施の評価、医療型短期入所受入前支援加算の対応職種へのリハ専門職追加、障害児通所施設における送迎時の添乗と医療的ケアの実施に係る評価を要望。「地域の実情に応じた事業所の運営にかかる要件の柔軟化」では、サービス担当者会議参加による事業所側の加算新設が重点に掲げられました。

背景——分配率18.5%、ヒアリングで示された「職種間格差」

同協議会は7月3日、厚生労働省の第58回障害福祉サービス等報酬改定検討チームの関係団体ヒアリングにも出席しています。そのヒアリング資料では、障害福祉の処遇改善加算のQ&Aにリハ専門職の明記がない一方、介護保険の処遇改善加算のQ&Aにはリハ専門職等が明記されているという制度間の差を指摘。調査結果としてリハ専門職への分配率は18.5%にとどまるとし、通知・Q&AでPT・OT・STを具体的対象職種として明示し職種間格差の是正を図る仕組みや、緊急的賃上げ措置から基本報酬引き上げによる恒久的な処遇改善への転換を求めていました。

セラピストへの意味——障害児支援領域の報酬設計に注目

児童発達支援・放課後等デイサービス等で働くセラピストは増えており、専門的支援実施加算の算定上限や処遇改善加算での職種の扱いは、収入と配置に直結する論点です。令和9年度の障害福祉報酬改定は介護報酬改定と並行して議論が進むため、障害児分野に関わるセラピストは検討チームの今後の資料もあわせて確認することをお勧めします。要望の全文・経緯は下記の協会公式ページで確認できます。

出典